プロ野球

捕手の打力を活かせ!捕手をユーティリティ化して分業制を確立しよう

こんにちは。baseballensemble(@baseballensemb)です。
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今回は、打力のある捕手の起用方法について筆者の考えを書いていきます。

プロ野球に限らず、アマチュア野球でも多くのチームに1人は打力のある捕手が所属しています。しかし、「捕手=守備」という考えがなぜか打力のある選手にはハードルが高くなり、ちょっとでも監督の意図に合わないとすぐにコンバートされ、”捕手失格”となってしまいます。

しかし、捕手はもっともハードなポジションであり、プロ野球では1人の選手が全試合フルイニング出場という訳にはいきません。そして、スタメンで出る以上”身長打率”では貢献できる場面も限られてしまいます。

そこで筆者が提案するのが、2人の捕手をレギュラーにすることです。
どういうことなのか、以下に解説していきます。

捕手の分業制とは?

現在まで日本のプロ野球では、「強いチームにはいい捕手がいる」という考えが浸透しており、捕手の分業制という考え方は否定されがちです。しかし、捕手というポジションの過酷さを考えた時、複数の優れた捕手が必要なのは言うまでもありません(現在ではコリジョンルールが採用されたため多少以前とは負担も減りましたが)。

そこで筆者が考えるのが、2人の打力のある捕手を負担の少ない他ポジションで併用することです。
ここからは、プロ野球における例を挙げながら説明していきます。

プロ野球における捕手の分業制のポテンシャル

プロ野球には打力のある捕手を複数抱えているチームがあり、捕手の分業制も実現可能です。
例えば広島では、會澤翼選手と坂倉将吾選手が併用されています。會澤選手は現在の球界では森友哉選手(西武)に次ぐ打力を持っており、坂倉選手もポテンシャルのある打撃を年々成長させています。

広島では開幕前、バティスタ選手が抜けた一塁手の打力が不安視されていました。そこで筆者は、會澤選手と坂倉選手の両方に一塁を守らせて2人を捕手と半々で起用するアイデアが浮かんでいました。

2人とも最高で3割2桁本塁打を記録できるポテンシャルがあり、双方が規定打席到達を目指す起用法です。広島の外国人枠を考えても”一塁専”の選手を獲得することは難しいため、この併用がベストではないかと当時考えていました。

ソフトバンクでは、栗原陵矢選手が打力と走力を活かし一塁や外野のポジションで起用されています。正捕手に甲斐拓也選手がいるものの、負けている試合では栗原選手も捕手に入っています。ソフトバンクでは他にも谷川原健太選手も内外野のポジションに挑戦しており、捕手のユーティリティ化を図っています。

中日には、郡司裕也選手とマルティネス選手がいます。2人とも2020年7月現在までに他のポジションにチャレンジしたという情報はありませんが、この2人の打力も将来は外せないものになるでしょう。そうした時、この2人を捕手と左翼で併用してアルモンテ選手の後継に据えるのがいいのではないでしょうか。

巨人でも大城卓三選手に一塁を守らせて、5番で起用する試合もありました。昨年の巨人の優勝には大城選手の打力は欠かせないもので、原辰徳監督が最善策として起用したものでした。

このように、捕手でありながら各チーム内で出色の打力を誇る選手が増えてきており、ベンチで眠らせておくのは勿体ないのです。

捕手しかできない選手の弊害

捕手しかできない選手しかいないチームでは、2人の選手を同時にスタメンで使うことはできず分業制は成立しません。あくまで今回の捕手の分業制の定義は、打力のある2人の捕手が同時にスタメンで出ることを意味します。

これは2020年現在の野球界における特徴ですが、捕手のほとんどが十分な走力を持っていません。加えて打力も内外野の選手よりも落ち、ユーティリティ性もないとしたら、ただベンチの枠を食いつぶしているだけになりかねません。チーム全体の選手起用の幅が狭くなってしまいます。

1軍のベンチに入る以上、以下のいずれかは持っておきたいものです。

・代打で起用できる打力
・代走で起用できる走力
・複数のポジションをこなせる守備力

捕手しかできない控え選手は、だいたいがこのどれもに該当しません。試合が総力戦ともなると、最後までベンチに残るのは捕手しかできない選手です。チームの選手層を厚くするには、捕手のユーティリティ化は欠かせない要素なのです。

捕手はどこにコンバートしたらいい?負担の少ないポジション3選

捕手の分業制のためには、負担の少ないポジションを兼任することが重要です。余程の身体能力がなければ、センターラインを守ることは難しいです。センターラインのポジションは、それ自体に大きな負担が存在します。

そこで、捕手の負担がありながらも兼任できそうなポジションを紹介します。あくまで可能性の世界ですが、捕手の分業制を考える際の参考にしてください。

負担の少ないポジション①:三塁手

捕手のコンバート先として、筆者が真っ先に浮かぶのが三塁手です。三塁手は連携プレーに関わることも少なく、飛んでくる打球も捕手を経験していれば難しくありません。

三塁に飛んでくる打球の代表格は速い打球ですが、捕手は速いストレートを捕球しています。またプロ野球の捕手であれば確実に140㎞のワンバウンドする変化球も捕球経験があることから、イレギュラーやハンドリングもさほど大きな問題にはなりません。

唯一難しくなるのが、前の弱い打球の対処です。この打球に関しては、多少ですがアジリティが必要になります。バウンドを合わせるための小刻みなステップが踏めないと、時として打ち取った打球でミスをしてしまいます。

ただ、多少のアジリティさえクリアしてしまえば送球も難なくできるポジションであり、負担の少ない三塁手はコンバート先として魅力があります。

負担の少ないポジション②:左翼手

捕手のコンバートにあたり、三塁に次いで負担が少ないのが左翼手です。これに関しては、外野に必要な身体能力というよりも、「バレンティン選手でも打力があれば問題視されない」という他者比較の要素が大きいです。

その中でも、捕手としての肩の強さはプラスになります。加えて「捕手としては脚が速い」という選手であれば、外国人選手も多いこのポジションでは守備範囲でもプラスに転じます。左翼手の特徴は、打力で勝負して勝っている試合では代走から守備固めの選手に交代できる点です。守備力よりも打力を優先できる唯一のポジションとも言え、捕手のコンバート先としておすすめです。

負担の少ないポジション③:一塁手

一塁手は決して簡単なポジションではありませんが、捕手を経験していれば視野の広さでカバーできるポジションです。

まず、一塁手は他の内野手の送球を受けるポジションです。これは、投球を受けている捕手なら影響しません。
次に飛んでくる打球も、三塁手と同じ感覚で処理できます。加えて送球の負担がほぼないため、無理に前に出る必要もなくハンドリングで勝負することが可能です。

しかし、ランナーが一塁にいればすべての投球が連携プレーの対象です。牽制球を受けるためにベースに付き、バントになれば前にダッシュをし、ゴロを処理すれば二塁に送球することになります。

これらの連携プレーや複雑なサインを覚えなければいけないため、頭の柔らかさが必要なポジションです。しかし、捕手であれば通常は”サインを出す側”であり、捕手の気持ちがわかることが優位にはたらくこともあります。

一塁手は状況を判断する能力や内野手の送球を受けるハンドリングの良さが求められ、負担の重さは三塁手や左翼手とは比べ物になりません。しかし経験がカバーしてくれる要素があるため、捕手でも守れるポジションです。一塁を守る場合、捕手と協力してチームの状況確認をコントロールしましょう。

まとめ:捕手の分業制で選手層を厚くしよう

捕手は立ったり座ったりが激しいポジションで、負担は莫大です。プロ野球であれば、年間を1人の捕手で戦うことはまず不可能です。捕手こそ、分業制で併用が必要になります。

一方、たとえ負担の大きいポジションであろうと、スタメンで出る以上打力がないことは許されません。時に打撃で、投手をリードしてあげることが求められます。
また、打撃の良さは配球にもいい影響を与えます。打てる打者の特徴を知ることで、避けるべき配球が理解できるためです。

捕手の打力はチームを優位に導きます。だからこそ、打力のある捕手を複数起用してチームの幅を広くしたいものです。これからの時代、2人の捕手が規定打席到達を目指す形があってもいいのではないでしょうか。