プロ野球

ドラフト2019総評 パリーグ編

こんにちは、タッツ(@tatsuvish222)です。

前回に引き続き、ドラフト総評をしていきます。今回はパリーグ編です。
パリーグでは4球団競合の末に佐々木朗希投手(大船渡高)をロッテが指名しました。また外れ1位でも河野竜生投手(JFE西日本)と宮川哲投手(東芝)が競合し、それぞれ日本ハムと西武が指名に至りました。

オリックスは素材型の指名を敢行し、楽天は1位小深田大翔選手(大阪ガス)など即戦力中心の指名に、ソフトバンクも2012年ドラフトの高田知季選手以来となる大学・社会人のカテゴリーからの野手の指名となりました。

また西武は独立リーグから支配下選手を3人指名し、ソフトバンクとオリックスは育成でも大量指名を行うなどセリーグよりもバラエティに富んだドラフトとなりました。

セリーグ編はこちら

西武

×佐々木朗希
1 宮川哲  投手  東芝
2 浜屋将太 投手  三菱日立パワーシステムズ
3 松岡洸希 投手  武蔵ヒートベアーズ
4 川野涼太 内野手 九州学院高
5 柘植世那 捕手  Honda鈴鹿
6 井上広輝 投手  日大三高
7 上間永遠 投手  徳島インディゴソックス
8 岸純一郎 外野手 徳島インディゴソックス
育成1 出井敏博 投手 神奈川大

西武はウイークポイントである投手陣に主眼を置いたドラフトになりました。佐々木投手は外してしまいましたが、1位では社会人No.1の素材である宮川投手を巨人との競合の末に指名しました。2位では左の高卒3年目社会人の浜屋投手を指名、こちらは先発ができる技巧派です。

3位の松岡投手は投手歴は浅いものの多彩な変化球を操り、先発としての育成となるでしょう。4位の川野選手は、西武に入団となれば松井稼頭央2世と呼ぶことができる素材です。5位の柘植選手はしっかり振れる打撃が魅力の捕手で、西武のチームカラーにマッチします。

6位の井上投手は夏に調子を落としてしまいましたが、本来はもっと上の順位で指名されてもおかしくない素材です。7位の上間投手は高卒1年目での指名となりました。まだまだ粗削りですが、強いストレートが武器です。

8位の岸選手は俊足が武器で内野も守ります。元投手としても有名ですが、怪我の具合でどれほど強肩を維持できているか注目です。育成1位の出井投手はまだまだ線が細く、体重を増やしてからの勝負となります。

三振を取れる投手を中心に指名した西武ですが、心配なのはメジャーリーグ挑戦の意思がある秋山翔吾選手の後継となる選手を指名できなかった点です。打線の質を保つためにも、近いうちに大型外野手を指名したいところです。

ソフトバンク

×石川昂弥
1 佐藤直樹 外野手 JR西日本
2 海野隆司 捕手  東海大
3 津森宥紀 投手  東北福祉大
4 小林珠維 内野手 東海大札幌高
5 柳町達  外野手 慶応義塾大
育成1 石塚綜一郎 捕手  黒沢尻工高
育成2 大関友久  投手  仙台大
育成3 伊藤大将  内野手 八戸学院光星高
育成4 勝連大稀  内野手 興南高
育成5 舟越秀虎  外野手 城北高
育成6 荒木翔太  内野手 千原台高
育成7 村上舜   投手  山形中央高

ソフトバンクは近年では珍しく、大学・社会人の野手を中心とした指名を行いました。1位入札ではかねてから決めていたという石川選手のクジを外してしまいましたが、代わりに今年屈指の右の俊足外野手である佐藤選手を指名しました。現状では、打球に角度が付かないことが課題の選手です。

2位では大学生No.1捕手の海野選手を指名しました。癖のない打撃も魅力で、ベテランの高谷裕亮選手の引退に備え、甲斐拓也選手と競争させる狙いを感じさせます。3位の津森投手は粗削りな本格派サイドハンドで、即戦力としては物足りないですがソフトバンクの層の厚さなら完成するまで待つことができるでしょう。

4位の小林選手は投手としての評価が高かったですが、内野手としての指名となりました。現在今宮健太選手が怪我がちで、かつ後継者もいないことから大型遊撃手としての育成となりそうです。5位の柳町選手は、能力の高いソフトバンク外野陣で生き残るためには個性が欲しい選手です。

育成1位の石塚選手は大砲候補であり、一塁や三塁での起用もありそうです。育成2位の大関投手は大型左腕で、近年不調ではありますが和製モイネロのような投手に育つ可能性を秘めています。育成3位の伊藤選手と4位の勝連選手は、内外野守れるユーティリティとして育成されるでしょう。

育成5位の舟越選手と育成6位の荒木選手はともに地元九州からのプロ入りとなります。甲斐選手(楊志館高)や牧原大成選手(城北高)のように、地元から育成でプロ入りした先輩に続きたいところです。育成7位の村上投手は、同じく小柄な育成左腕の長谷川宙輝投手のように短期間で球速をアップさせて有望株の仲間入りを狙います。

投打に分厚い選手層を誇るソフトバンクですが、2019年シーズンは野手の怪我人が相次ぎました。即戦力の野手を指名して、怪我人が出ても戦えるチーム作りを目指すドラフトとなりました。

楽天

×佐々木朗希
1 小深田大翔 内野手 大阪ガス
2 黒川史陽  内野手 智辯和歌山高
3 津留崎大成 投手  慶応義塾大
4 武藤敦貴  投手  都城東高
5 福森耀真  投手  九州産業大
6 瀧中瞭太  投手  Honda鈴鹿
7 水上桂   捕手  明石商高
育成1 江川侑人 捕手  大分高
育成2 小峯新陸 投手  鹿児島城西高
育成3 山崎真彰 内野手 ハワイ大
育成4 澤野聖悠 内野手 誉高

楽天は1位で佐々木投手を外してしまうと、今年唯一と言っていい即戦力内野手の小深田選手を指名しました。先輩の近本光司選手(阪神)の影響もあるでしょうが、近本選手ほど長打力はありません。あくまでも、楽天に不足する内野のユーティリティとしての位置づけになるでしょう。

2位の黒川選手は癖のない打撃フォームで、国体では木製バットでも結果を残しました。1軍には早期に上がってくるでしょう。3位の津留崎投手はスラッターが武器の中継ぎ右腕で、即戦力として高い期待が持てます。

4位の武藤投手は外野手としての評価が高いですが、投手での指名となりました。5位の福森投手は投球術が課題ですが、150kmを超えるストレートが武器です。6位の瀧中投手は社会人野球で洗練された中継ぎ投手で、低めにボールを集めて打ち取っていきます。

7位の水上選手は一時は大学進学が濃厚となっていましたが、プロ志望届を提出し指名に至りました。プロで勝負するには、武器が欲しいタイプではあります。育成1位の江川選手は、非力ながらミートセンスのある打撃と強肩が武器です。

育成2位の小峯投手はスケールの大きな右腕で、160kmを目指しての育成になるでしょう。育成3位の山崎選手はこちらも楽天に不足している内野のユーティリティで、アメリカで育った打撃にも力強さがあります。育成4位の澤野選手は打撃フォームはいいものの、甲子園では速い球への経験不足を露呈していました。

ダブルエースの則本昂大、岸孝之両投手に勤続疲労が見える中で先発投手を指名できなかったのが気がかりですが、野手を強化して来季は優勝を狙いに行きます。

ロッテ

1 佐々木朗希 投手  大船渡高
2 佐藤都志也 捕手  東洋大
3 高部瑛人  外野手 国士舘大
4 横山陸人  投手  専大松戸高
5 福田光輝  内野手 法政大
育成1 本前郁也 投手 北翔大 
育成2 植田将太 捕手 慶応義塾大

近年のドラフトで野手を引き当ててきたロッテは、ついに大型投手の指名にも成功しました。佐々木投手は風によって変化球の質がかわる本拠地ZOZOマリンで投球術を身につけ、世界へと羽ばたいてほしいです。

2位では捕手と外野手での起用が見込める佐藤選手を指名しました。近年打撃の調子を落とし気味なため、キャンプでじっくりと指導をしたい選手です。3位の高部選手は東都大学リーグ2部でのプレー経験しかないのが不安ですが、2部では敵なしの好打者で俊足も持ちあわせます。

4位の横山投手は地元の速球派サイドハンドで、佐々木千隼投手や東條大樹投手とは少しタイプが異なります。完成度の高い変化球を身につけて1軍に上がりたいところです。5位の福田選手は走攻守にそつなくこなす選手で、長打力もあります。

育成1位の本前投手は投げっぷりの良さが魅力の左腕で、中継ぎが主戦場でしょう。育成2位の植田選手は慶応義塾大では郡司裕也選手(中日4位)の陰に隠れており、捕手の層の薄いロッテで潜在能力をアピールしたいところです。

一歩ずつ、着実に強くなってきているロッテ。将来のエースと中央球界の即戦力野手を加え、来季は2007年以来となる本拠地でのCS開催を目指します。

日本ハム

×佐々木朗希
1 河野竜生 投手  JFE西日本
2 立野和明 投手  東海理化
3 上野響平 内野手 京都国際高
4 鈴木健矢 投手  JX-ENEOS
5 望月大希 投手  創価大
6 梅林優貴 捕手  広島文化学園大
7 片岡奨人 外野手 東日本国際大
育成1 宮田輝星  外野手 福岡大
育成2 樋口龍之介 内野手 新潟アルビレックス
育成3 長谷川凌太 投手  新潟アルビレックス

「その年のNo.1を指名する」方針の日本ハムは早くから佐々木投手の1位指名を公言していましたが、相思相愛とはいきませんでした。しかし安定したゲームメイクが武器の河野投手を指名。開幕ローテーションに入ることが期待されます。

2位の立野投手は、ロマンはありますが現状では決め球が見当たりません。3位の上野選手は遊撃守備に定評があり、好評価につながりました。4位の鈴木投手は2種類のスライダーが武器の中継ぎサイドハンド右腕です。

5位の望月投手はスタミナが武器の先発投手で、現状ロマン枠ですが梅津晃大投手(中日)のようなスケール感があります。6位の梅林選手は、攻撃型の捕手の多い日本ハムで守備に一芸を見出せると良いでしょう。7位の片岡選手はロマン型の左の外野手です。

育成1位の宮田選手は俊足が武器で、代走で使いたいタイプです。育成2位の樋口選手は強打を誇る内野のユーティリティで、三塁手不在の日本ハムでは1年目からダークホースになります。育成3位の長谷川投手は角度のある150kmのストレートが特徴で、先発中継ぎどちらでもできるタイプです。

全体にロマン枠の指名が多くなりました。現有戦力がまとまった選手が多いため、ロマンの開花が待たれます。

オリックス

×石川昂弥
×河野竜生
1 宮城大弥  投手  興南高
2 紅林弘太郎 内野手 駿河総合高
3 村西良太  投手  近畿大
4 前佑囲斗  投手  津田学園高
5 勝俣翔貴  内野手 国際武道大
育成1 佐藤一磨  投手  横浜隼人高
育成2 谷岡楓太  投手  武田高
育成3 中田惟斗  投手  大阪桐蔭高
育成4 平野大和  外野手 日章学園高
育成5 鶴見凌也  捕手  常磐大高
育成6 大下誠一郎 外野手 白鷗大
育成7 佐藤優悟  外野手 仙台大
育成8 松山真之  投手  富山サンダーバーズ

オリックスは手薄な三塁手として石川選手を入札指名しましたが失敗、次いで河野投手を指名しましたがこちらもクジを外してしまいました。しかし宮城投手も素材としては申し分ない存在です。夏の大会で酷使された影響が気になりますが…。

2位の紅林選手は大型内野手ながら遊撃の守備は上手く、むしろ打撃を課題としています。3位の村西投手はサイドハンドから150kmを超える球が武器で、決め球を磨けば中継ぎの即戦力となります。4位の前投手は、投手育成に定評のあるオリックスであれば大きく育つのではないでしょうか。

5位の勝俣選手は春に怪我をした影響で打撃フォームを崩しており、まずは2軍で立て直したいところです。育成1位の佐藤投手はロマン型左腕で、右腕育成で結果を残してきたオリックスにとって挑戦となります。

育成2位の谷岡投手は武田高の独特な取り組みで伸びた選手であり、プロの水に馴染むか注目です。育成3位の中田投手は再現性に課題があり、じっくりとフォームを固めるところからのスタートです。育成4位の平野選手は俊足が武器の右の外野手で、長打力を磨きたいです。

育成5位の鶴見選手は投手としても145kmを投げる強肩が武器の守備型捕手で、オリックスにはいないタイプでしょう。育成6位の大下選手は振れる選手ですがムラが大きく、守備位置も左翼くらいであるためこの順位になりました。育成7位の佐藤選手は仙台大から野手として初めての指名で、プロでも歴史を作りたいところです。

育成8位の松山投手は一目見てわかるパワーアームで、昨年の育成1位の漆原大晟投手のように成長していくことが予想されます。

投手育成に定評のあるオリックスだけに、紅林選手と勝俣選手をものに出来るかが今後の浮上のカギとなるでしょう。