こんばんは、タッツ(@tatsuvish222)です。
今回は中日にドラフト1位で入団し、連日話題となっている石川昂弥選手(東邦高)の打撃について書いていきます。
石川選手の打撃の最大の持ち味は、何といっても飛距離です。自主トレの段階から130m級の打球を飛ばしています。この飛距離であれば、広いナゴヤドームでも関係なく本塁打を量産し、将来は本塁打王争いに顔を出す選手になるでしょう。
一方で、打撃練習の様子を見ていると修正点も見つかりました。まだ高卒1年目ということもあり、この辺は大目に見てあげなければいけませんね。
石川選手が中日の近い将来を担うことは間違いありません。では打撃の分析にまいりましょう。
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石川昂弥の打撃フォーム
石川選手の打撃フォームについては、先日こんな記事を見かけました。
https://www.nikkansports.com/baseball/news/202001270000409.html
日刊スポーツの1月27日の記事によると、石川選手は自主トレの段階でトップの位置を修正したそうです。どんな修正だったのか、画像で比較してみましょう。


この2枚で比較しても、高校時代の方がトップの時に投手側にバットのヘッドが入ってしまっています。この型だと、プロの150kmを超えるストレートに差し込まれてしまう可能性が高くなります。
石川選手はこのリスクを懸念したのか、2月1日の型ではトップの時のヘッドの角度を浅くしています。またインステップするタイミングの取り方もやめており、プロ仕様としてシンプルさを追求したと考えられます。
このフォームであれば、速いストレートにも対応できる確率は上がっていきます。まず速い球を打たなければ野球では勝負になりませんので、正しい方向性と言えますね。
石川昂弥の打撃の課題
ただ、石川選手の打撃練習を見ていると修正点も見つかりました。報道によれば石川選手は2月1日の練習では57スイングで15発の柵越えだったようですが、柵越えしなかったスイングでは打ち損じも目立ちました。
筆者がなぜ打ち損じをしてしまうのかという視点で分析したところ、石川選手のスイングにはボールに対して直線で入っていくフェーズがないことに気づきました。

画像で見てみましょう(汚い手書きですみません…)。スイングの理想は、よく「ナイキマークのような軌道を描け」と言われます。あるいは、ソフトバンクの柳田悠岐選手のように振り上げる型もあります。ここでは前者を「ナイキ型」、後者を「柳田型」と定義づけていきます。
いずれの型も、赤く囲った直線のフェーズ
が存在します。投球されるボールは少なからず上から落ちてくる(垂れてくる)ものであり、その軌道に対して直線で潜っていくことが捉える確率を上げてくれます。
しかし石川選手のスイングを見ていると、この直線のフェーズが見られず、本来直線で潜っていくところがなだらかな弧を描き続けた状態にありました。そのため、石川選手の打撃は「運ゲー」のようになってしまったのです。捉えればスタンドですが、捉えられないと凡フライという2択の打撃でした。
石川選手は、今後キャンプの中でスイングを修正し、直線のフェーズを作れれば本人が目標とする開幕1軍にも近づいていきます。
まとめ
石川選手はとてつもない飛距離を誇る一方、ミートの確率にはまだ課題を残しています。しかしそれが石川選手の成績不振を案ずるものではなく、むしろ伸びしろであることを意味します。
すでに130mを飛ばすことができながら、さらに伸びていく可能性を持った選手です。将来は、鈴木誠也選手(広島)のように高打率と長打力を併せ持つ選手になるでしょう。
石川選手は走力や守備力も評価されていて、意識の高さをうかがわせる発言もあります。中日が嘱望する和製大砲として、覚醒する日が待たれます。