プロ野球

西武ライオンズが見せる「守り勝つ野球」の真髄

(写真=試合で起用する選手に高い守備力を求め、黄金期を築きつつある辻発彦監督。西日本スポーツより)

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今回は、埼玉西武ライオンズが展開する”真の”「守り勝つ野球」を解説していきます。
ライオンズと言えば、”山賊打線”の破壊力で打ち勝つ野球をイメージされる方も多いでしょう。小技を使う場面もほとんどなく、繊細さはイメージされにくいのではないでしょうか。

しかし、ライオンズが山賊打線で打ち勝つためにも、欠かせないのが守備力です。ライオンズは、守備から流れを作り打線の爆発で一気に得点していくチームです。

2020年では、強力な中継ぎ陣を形成したことで投手を中心とした守り勝つ野球を展開しています。どんな内容なのか、具体的に見ていきましょう。

ライオンズの守り勝つ野球を育てた男・源田壮亮

守り勝つ野球の要・源田壮亮選手(日刊スポーツより)

ライオンズの守り勝つ野球を語る上で、源田壮亮選手の名前を出さずにいることはできません。一体、どれだけの安打をアウトに変え、失点を防いでいるのかは数え切るのは不可能でしょう。

源田選手は2016年のドラフト3位でトヨタ自動車からライオンズに入団し、辻発彦監督の就任と”同期”になります。
入団当初は打撃が課題とされていましたが、ライオンズの指導により2017年の開幕までに今のスタイルを仕上げてきました。振り返れば、源田選手の打撃育成が今のライオンズの礎となっていますね。

2020年シーズンで象徴的なプレーが、6月28日のホークス戦の9回表に牧原大成選手の打球を捌いたシーンです。
俊足の牧原選手が放った三遊間のゴロは、誰しもが内野安打を確信しました。しかしこの打球を源田選手が捕球すると、瞬時に握り替え1ステップを踏み正確な送球をしました。間違いなく、日本一のプレーです。
(動画URL→ https://tv.pacificleague.jp/vod/pc/topics/ptv_originals/41107

源田選手のスーパープレーでホークスを無得点に抑えると、その裏にサヨナラ勝ちを収めました。これぞライオンズの守り勝つ野球という、象徴的な試合でした。

ライオンズの守り勝つ野球を引き継ぐ若手・川越誠司

堅実な守備で1軍戦力になっている川越誠司選手。(西日本スポーツより)

ライオンズの守り勝つ野球に黄金期の到来を感じさせるのが、川越誠司選手の存在です。川越選手は2015年に投手として北海学園大から入団しましたが、2019年から前評判の高かった外野手に転向しました。

豪快な打撃に期待がかかっており、2020年には転向2年目で早くも開幕1軍をつかみ取りました。しかし、1軍を勝ち取れた要因は期待の打撃ではなく守備力の高さによるものでしょう。

川越選手の外野守備は、俊足に加え投手出身の強肩を武器にします。7月27日現在ですでに3つの捕殺を記録していることからも、川越選手の強肩ぷりが窺えます。

また、7月26日のマリーンズ戦では7回に栗山巧選手に代わって左翼の守備に入ると、福田秀平選手が放ったフェンス際の飛球をジャンピングキャッチしました。

外野3つのポジションができ、どのポジションでも安定した守備ができるのが川越選手の特徴です。レギュラーではない選手でもクオリティの高い守備を見せるところに、辻監督の野球が隅々まで浸透していることを感じさせます。

ライオンズは投手を中心とした守り勝つ野球へ

大飛球をジャンピングキャッチする鈴木将平選手。(パリーグTVより)

ライオンズの堅い守備は、強力中継ぎ陣を支えています。
7月23日のマリーンズ戦では、ギャレット投手の登板時に井上晴哉選手が放った大飛球を鈴木将平選手がジャンピングキャッチし、無失点に抑えました。ギャレット投手は試合後に、Twitterで鈴木選手の守備を絶賛しました。

7月26日のマリーンズ戦では、平良海馬投手の登板時に源田選手と川越選手の連続ファインプレーで3者凡退に抑え、4-2での逃げ切り勝利に貢献しています。

何気なくファインプレーを連発するチームであるため、クローズアップするにもキリがない状態です。ですのでこのほかにも、ファンの皆様であれば思い浮かぶ場面はたくさんあるのではないでしょうか。

強力中継ぎ陣が失点しそうな場面でも、ファインプレーで盛り立てる、これぞ「投手を中心とした守り勝つ野球」の真髄です。

まとめ:投手を中心とした守り勝つ野球を勘違いしてないか?

2020年のライオンズこそが、投手を中心とした守り勝つ野球のあり方です。しかし、投手を中心とした守り勝つ野球は多くの場合で解釈が間違っているように感じます。

多くの新監督は、就任時に投手を中心とした守り勝つ野球を掲げます。しかし、実際それが実現されたケースはほとんど見ません。
「守り勝つ」という言葉が一人歩きをし、わざと得点が増えないように送りバントなどの小技を多用するケースが多々あるのです。

野球に必要なのは、得点を取って守ることです。あるいは、失点を抑えて得点を取ることとも言い換えられます。得点が必要な場面にも関わらず、アウトを献上することを前提とした采配には疑問です。

辻監督もNHKBSの『球辞苑』のインタビューで、「投手が弱い」と前置きしながらも多くの得点を上げるためにバントをすることに疑問を呈していました。

投手を中心とした守り勝つ野球を実現するためには、ライオンズのように手数をかけずに効率的に得点し、それを野手の守備力を鍛えて守り抜けるようにするのが正しい型ではないでしょうか。

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