野球論

1点を取りにいく時、送りバントは必要なのか

写真=送りバントを決める広島・菊池選手

こんばんは、タッツ(@tatsuvish222)です。
今回は野球界でよく言われる「1点を取りにいく野球」についてです。

「1点を取りにいく野球」と聞いて皆さんはどんな攻撃を想像するでしょうか。
理想はホームランで取ってしまうことですが、現実なかなかそうはいきません。

そこで、確率よく1点を取るための攻撃方法を考えていきましょう。

バントは無意味?

現状の日本野球では、「1点を取る」場面の無死1塁で選択される代表的な作戦が送りバントです。
しかし、果たしてこの作戦に意味はあるのでしょうか。

まずバントが成功したとしても1死2塁であり、後続の打者に安打が出るか相手のミスがなければ得点はできません。
加えて日本の野球ではどういう訳だか最強打者の前でも”とりあえずバント”をしてしまいますが、これでは最強打者が申告敬遠されることは目に見えています。

とにかく、後ろの打者への依存が強すぎる作戦なのです。

後ろの打者に依存するなら…

とはいっても、ホームランが出ないのなら後ろの打者が打つしかないですよね。
そこで筆者はこんな作戦を提唱します。

「とりあえず打たせろ」

それってもはや作戦じゃなくない?となるところですが、なぜこう考えるのか説明します。
無死1塁から送りバントをして1死2塁から一本の安打で得点を望む形は、要は「一本の安打で走者を2つ分進めたい」ということになります。

ならばこの”一本の安打”を、無死1塁の場面で期待してはいけないのでしょうか。

無死1塁から”一本の安打”で無死1,3塁の形ができれば、後続の打者は仮に安打が打てなくても外野フライで得点することが可能になります。
もし無死1,2塁でもここから送りバントを決めれば1死2,3塁であり、仮に申告敬遠があっても1死満塁で外野フライでも得点可能な状況には変わりありません。

打者への負担が違う

皆さんが野球選手だとして、1点が欲しい攻撃の際に無死で打席が回ってくるのと1死で打席が回ってくるのと、どちらが負担が大きいでしょうか。

少なくとも1死2塁で回ってきた時であれば、もし自分がアウトになってしまったら次の打者は絶対にアウトになることは許されません。そのプレッシャーを背負って打席に立つことは、どうしても邪念が入ってしまいがちです。

他方無死1塁から「とりあえず打て」の打席ならより気楽に、押せ押せ気分で入れるのではないでしょうか。
なぜなら1点を取る攻撃を仕掛ける場面では、相手は「1点もやりたくない」状況である場合が大抵だからです。

そこで送りバントで相手に一息つかせるのか、間髪入れずに攻撃するのかでは相手へのプレッシャーが違うでしょう。

守備シフトのリスク

相手は「1点もやりたくない」状態ですから、1死2塁になればヒットゾーンを拡大させてでも外野手を前進守備させます。ここで相手はリスクを冒すのだから、送りバントをすべきだと言う人もいるでしょう。

しかしもし無死1,3塁となれば(あるいは1死2,3塁や満塁)、内野手が前進守備を敷くことになります。
(満塁の場合、相手は覚悟を決めて二塁併殺シフトにするかもしれませんが、それは相当鍛錬された相手です)

また無死1塁の状況ですら、相手は「1点もやりたくない」のですから併殺シフトを敷きます。このシフトですら、相当なリスクになるものです。
一方1死2塁では外野手は前進しますが内野手は定位置で守ることができ、投手は落ち着いて内野ゴロを打たせることに専念できます。

この点からも、無死1塁からの送りバントの方が相手は楽であることがわかるでしょう。

最後に

「1点を取りにいく」場面で唯一無死1塁からの送りバントが有効であるとしたら、それはフィールディングの悪い外国人投手が登板している時でしょう。
外国人投手は日本に来るまではほとんどフィールディングに取り組んでいないため、純粋な投球よりもこちらの方が難がある投手が比較的存在します。

しかし日本では送りバントそのものが当たり前の作戦であることから、投手のフィールディングが上手いです。この部分では世界一でしょう。

いつの時代から無死1塁での”とりあえずバント”が横行しているのかはわかりませんが、そろそろ時代に合わせて考え方を変えていく時ではないでしょうか。