野球論

球界の未来を考える

写真=球界の未来を担うであろう選手の一人、今川優馬選手(JFE東日本)

こんにちは、タッツ(@tatsuvish222)です。
今回はタイトルの通り、球界の未来について書いていきます。

ではまず、現在の球界がどのような状況なのかを見てみましょう。

現在:投手

投手では現在、『スラッター』と呼ばれる変化球が最盛期を迎えています。
この球は「スライダーとカットボールの中間球」(お股二キ氏著『セイバーメトリクスの落とし穴』より)であり、「程よい変化量でストレートと偽装する」効果があります。

この球と共にピッチトンネルを通してややシンカー方向に落としていくスプリットやチェンジアップを持った投手が最先端となっています。

代表的な使い手は大瀬良大地投手(広島)や山本由伸投手(オリックス)であり、弓削隼人投手(楽天)もスラッターの使い手としてブレイクしています。
今秋のドラフト上位候補の森下暢仁投手(明治大)や宮川哲投手(東芝)も決め球として投じるなど、アマチュア球界にも浸透しています。

現在:野手

野手の現状としてはメジャーリーグでの「フライボール革命」の流行を受け、日本でも徐々にホームランに対する意識が高まりつつあります。

2015年にソフトバンクが本拠地ヤフオクドームにホームランテラスを設置したことに続き、今年からロッテもZOZOマリンスタジアムにホームランラグーンを設置しました。ロッテでは2005年の李承燁選手以来14年ぶりにレアード選手がシーズン30本塁打を達成するなど、効果は如実に表れています。


こうした動きに、昨今ではナゴヤドームや甲子園球場にもラッキーゾーンを設置すべきか否かの議論も成されるほどです。

ペナントレースでは2016年からの広島の3連覇や昨年の西武の優勝など、打ち勝てるチームが優位に立つことが増えてきました。特にパリーグではここ3年、優勝チームからホームラン王が誕生しています。

選手個人に目を移しても以前は180cmを超えることがことがホームラン打者の最低条件のように言われていたのが、吉田正尚選手(オリックス)や森友哉選手(西武)の活躍によって身長への先入観が取り払われつつあります。

未来:投手

未来型の投球スタイルとして、山野太一投手(東北福祉大3年)が挙げられます。
山野投手は現在最盛期であるスラッターを軸に近い球速帯で微妙に変化量の違うスライダーやスラッターを混ぜていく投球で、同じ球種の中でお互いに偽装し合って相手に的を絞らせません。

本人に取材をしていないので憶測の域になりますが、おそらくは同じ握りからリリースの力感(指にかける、抜くなど)を微妙に変えることによってこのスタイルを確立したのではないかと思われます。

そしてこの”変化球の相互偽装”は、シンカー方向でも実現できるように思えます。
ツーシームやシンキングファストを軸に高速チェンジアップやスプリット、さらに変化量の大きなフォークや遅いチェンジアップ、シンカーなどを混ぜることで可能になるでしょう。

こうした相互偽装に、元来から使われているピッチトンネルを通す横の揺さぶりを絡めていくことで「究極の技巧派」が近い将来誕生するのではないかと期待します。

未来:野手

現在アマチュアでプレーする選手の中で革新的な活躍を魅せる一人が、今川優馬選手(JFE東日本)です。
今川選手はフライボール革命の流行と共に成長した選手で、大学4年時にはリーグのタイトルも獲り一躍ドラフト候補にも名前が挙がるようになりました。

残念ながら昨年のドラフトで名前が呼ばれることはありませんでしたが、活躍の場を社会人野球に移すと1年目からチームの都市対抗野球優勝に2番打者として貢献し、自身も若獅子賞のタイトルを獲得しました。

今川選手の他にも速水隆成選手(群馬ダイヤモンドペガサス)もフライボール革命の影響を受けた選手であり、今後はこうした選手がプロ野球の世界にたくさん入ってくることが予想されます。
(今川選手速水選手この紹介で間違っていたらすみません)

また、小柄な選手でも主軸打者として活躍できるメソッドが確立されつつあるため、今後は身長が小さくとも山田哲人選手(ヤクルト)のようにトリプルスリーを達成する選手も出てくるのではないでしょうか。

指導者の未来

昨今では”体育会系”と言われる指導への疑問が相次いで発信されるようになり、指導者の在り方にも変化が見え始めています。

平成の時代は軍隊のようにあらゆる面で強制し、「自己犠牲」「長時間練習」を美徳としてきました。
しかしそのやり方で輝けるのは本当に才能のあるごく一部のみ。有望な才能の多くは、こういった”指導者ファースト”のやり方によって潰されてきました。

別の側面で考えると、こうした指導が現代社会のブラック企業の増加の背景にあるのではないかとも考えられます。

そうしたやり方に学生時代に疑問を抱いていた世代が指導者になり、武田高校(広島)などを筆頭に”選手ファースト”で選手の自主性を重んじ、責任感を芽生えさせる指導も増えてきました。

また山本一真選手(北海道教育大旭川校)は自身のトミージョン手術のリハビリ期間中は学生監督としてチームに携わっており、「監督」という立場そのものの在り方にも転換期が訪れているようです。

現在では野球経験はそれほどであっても知識量に勝る『プロウト』にも注目が集まっており、いずれはそうした人材が始動の現場に入ることも実現するでしょう。

野球観のアップデート

SNSが発達した現在では、采配の議論は絶えることはありません。
それに伴って野球観を常に最新にアップデートしていかなければ、今の球界の変化についていくことは難しくなります。

詳しくはこちらを参考にしてみてください。
「現代野球における打順の組み方を考える」
「1点を取りにいく時、送りバントは必要なのか」
「キャッチャー論~捕手に必要な”4大要素”とは~」

最後に

すべてのプロ野球選手は、かつてはアマチュア球界でプレーしてきました。
アマチュア時代から一歩ずつ歩み続けた選手が、現在プロ野球で最先端としてプレーしています。

球界の未来は、すべてアマチュア野球の中に存在します。
だからこそもっとアマチュア野球も盛り上がってほしいですし、選手もそう思って発信をしています。

すべての選手は偉大です
その選手たちの頑張り、未来に向かってプレーする姿が、1人でも多くのファンの目に留まればいいなと思っております。

そして何より、すべての選手が報われるような球界になり、野球の裾野がどんどんと拡がっていけばいいと願っております。